《閑話休題》椿の美しさ。武士が嫌った花?茶室の花?

 庭師は、椿が好きです。(既にお気づきの方のいらっしゃるかと思いますが。。。ω;)
花のフォルムも大好きなのですが、なにより花の在り方(?)が好き。

こんな咲き方・散り方も珍しいと思うのですが、
最もきれいに咲ききった時点で、潔くポトリと花全体が落ちます。
“散る”というより、まさに“落ちる”といった感じ。

その様が、《斬首》に見えて『武士が嫌った花』という説がありますが、
その一方、『邪を祓う木』としてよく植えられていた花という話もあります。
どっちが本当なんでしょうね?

 

花の特性を生かした活け方?人の優しさ?《茶道》を体現したお話?

 そして、庭師の好きなお話として、これをぜひ記しておきたいです。

千利休のお孫さん、千利宗旦さんと言う方のお話なのですが、
(めちゃくちゃ、ざっくりと綴ります。。。
詳細知りたい方は、ぜひ、ググってください。ω、)

 
 ある日、仲良くしている妙蓮寺の和尚さんが坊主さんに
『椿がキレイに咲いているから、見頃の花を宗旦さんに持って行って』
とお使いを頼みました。

坊主さんは、見事に咲いている椿を大事に運んだのですが、
到着するなり、大事な椿の花が落ちてしまいます。

『どうしよう。。。』と坊主さんは困り果てていたのですが
宗旦さんは、その椿をそっと拾って茶室に持って入り、
如何にも今《花が落ちました》という風情になるよう
花器に活けた枝の下にそっと置いたそうです。

さらには、坊主さんにお礼のお茶を点ててあげたんだとか。

 

『粋だなぁ』『素敵だなぁ』とつい思ってしまいました。
地位や立場が人の価値を決めるのではなく、
その人の存在、在り方自体が決めるのだと、教えてくれたお話です。

 

まとめ:似て非なる花、山茶花との違いは?

 椿とよく似た花に山茶花(さざんか)というのがありますが、
お花が咲いてるときは(散り方が異なるので)判別しやすいのですが、
葉っぱだけの時期は、とても見分けが難しいです。
葉脈の出方が違うといわれているのですが、
『どう違うか?』を知ってないと、そもそもわからないという。。。

椿?山茶花?

 庭師(ホントの、職業としての庭師じゃないので。。。ω;ややこしい説明だなぁ)も、
いまだに見分けに自信が持てません。ω、
それでも、花のない時期に『椿』と名札をつけてもらった木を見かけると
『早くお花の季節にならないかな?』とウキウキします。

 丁度いま、終わりかけの時期なので、花が落ちてしまった樹をみると、
『また来年だね』とつい声をかけてしまったり。。。ω;
友人といる時に、無意識につい『キレイだねぇ』と、明らか花に声をかけてしまい、
『植物に話しかける人、いるよね』と冷静に述べられて
『(あ、やっちゃった。普通はあまりしないのか。。。)ω;』となったりするのは、
よくあること。。。庭師あるある?ω;

 
 あなたの好きなお花はどの花ですか?
 花のある生活って心が和みますよね。