《接客あるある/ぬるゆる解説》*非常識な日本人(カード支払編)

接客業に従事していると、色んな”非常識”にぶち当たります。

《いちかバチかのチャレンジ》で挑んでこられてるんだろうな?
という方から、
《本気で勘違い》の上で、自己主張されていらっしゃる方まで、
色んな方がいらっしゃいます。

もちろん、店員が間違っていることもありますが、
基本、店舗内では、店側の指示に従う。
それが嫌であれば、そこで買い物をしなければいい。
立ち入らなければいい。

もし、自分の思い通りにしたいというのであれば、
自分のテリトリーを作って、そこで行いましょう。

客だからといって、全てが許されるわけではありません。

特に、カード使用に関しては、《カード会社が設定した規約》というものが関わってきます。
これに関しては、店側ではどうしようもない事柄です。

たまに、《多めに見ろ》と仰る方がいらっしゃいますが、
そもそも規約は、制度を成り立たせるためのものです。
緩くすれば緩くするほど、使用者に不利益が生じてしまう可能性も少なくないのです。
自分の都合だけ考えるのではなく、全体からの視点も持って、
あらゆる可能性を考えて、発言しましょう。
個人で責任の取れない事象にまで、無責任な発言をするのは、止めましょう。
 
 

そもそも日本人は、契約に関しての概念が緩い?クレジットとは、信用。対個人の契約。

日本人は、昔、村単位の顔見知りでしか生活していなかったためか?
『夫婦のものだから、家族だから、大丈夫でしょ?』
という考えを、何にでも適応されるかたが、少なからずいらっしゃいます。

夫婦・親子間であっても、別の個体です。
契約に関することは、一部の例外を除き、本人以外が代行することはできません。

その代表が、クレジットカードという仕組み。

これは、コミュニティ内での人間関係が希薄というか、
移動が基本の生活で、
《代々、その土地に生活し続け、生活圏の全員知り合い》
といった日本独自の村社会のような生活とは無縁の
海外発祥の概念によって構成されています。

自分の存在を証明してくれるものは、身分証のみ。
どこの誰ともわからない人たちに囲まれて生活するのが当たり前、
といった人たちのために始まったシステムです。

自分のことは、自分でする。
自分の所有物に関するものの責任は、全て自分で負う。
夫婦であれ、家族であれ、本人以外の存在が
その人に関することをどうこうするのは、有りえない。

そういう概念の中で出来上がった仕組みなので、
《でも日本では》などと、違う世界の話をぶっこんでくるのは止めましょう。
《郷に入れば郷に従え》です。
 
 

本人名義以外のカードは、夫婦・家族間でも使用NG。家族カードを作りましょう

特に多いのが、昭和世代。
当たり前のように、配偶者のカードを持ち歩き使用される方が一定数いますが、
これは、規約違反です。

まだまだ、”なあなあの世界”では通用してしまうこともありますが、
通用する方が、異常なのです。
指摘されたなら、大人しく引き下がりましょう。

原則、カードの使用は本人名義のものだけ。
夫婦・家族の承諾があろうが、なかろうが、それは変わらないのです。
どうしても、配偶者や子どもにカード使用をさせるのであれば、
家族カードを作りましょう。

これは、契約者の信用を、配偶者・子どもに適用し、
契約者の口座引き落としで家族名義のカードを発行してもらうものです。
すべてのカードで作成できるとは限りませんが、
まず、問合せをしてみましょう。

ちなみに、家族カードには、使用する人の名前が印字されています。
 
 

カード裏には、名義人の署名を。ちなみに署名(サイン)は、漢字フルネームでなくてOK

規約で、『カード裏には、名義人の自署』を求められています。

ぶっちゃけ、毎回毎回、筆跡鑑定をするわけではありませんが、
一つの抑止力のための措置です。
不正利用を防止するため、制度を維持するために考えられているものなので、
仕組みを理解して、規約に従いましょう。

仕組みは、多くの人が守る意識を持てば持つほど、
強固になっていきます。
逆に、いい加減な意識の持ち主が増えれば増えるほど、
ダメになっていくものです。

ちなみに、署名は、《漢字》《フルネーム》でなくても大丈夫です。
 
 

『赤信号、みんなで渡れば怖くない』的な状況ですが、おまわりさんに見つかったらアウトを認めましょう

赤信号は、止まれのサイン。
これは道交法(道路交通法)で決まっています。
だいたいの方は、ご存じです。
知ってて、守らない場合も、知らなくて守らない場合も、
日本で赤信号無視をして、おまわりさんに発見されたら違反を指摘されます。

指摘されたのなら、大人しく、法律に従いましょう。

これと同じことです。

自分名義以外のことを使用すること自体、基本有りえないのですが、
それを指摘された時に逆ギレするのは、さらに有りえません。
たまに
《前にもこれでいけた》とか
《いつもこれを使っている》とか
食い下がられる方がいらっしゃいますが、
不正利用とみなされるようなことが見過ごされてしまったことが異常なので、
正しい利用を呼びかけられた場合は、ちゃんと引き下がりましょう。

カード使用をするということは、《この規約を理解している》とみなされるのです。
逆に、規約を無視する行為は、カード使用の権利が剥奪されても仕方ない、
ということなのです。

これを念頭において、利用しましょう。
 
 

とはいっても、LGBTQなど、デリケートな事象が関わっていることもある。

生まれ持った肉体と、その時点での名前と、
本人の性認識が異なる場合があります。
ただ、契約は契約なので、戸籍に基づいた情報で行われます。

その場合、
《見た目》と《カード上の名前》の性別が食い違いを起こすこともあります。
昨今はこのような状況の時に、
『ご本人様ですか?』など尋ねる事すら難しいご時世です。

また、事故などで身体の機能を損ない、自署が難しい人などもいます。

なかなか、杓子定規に《規則通り》といかない場合がありますが
店側としては、《本人名義》を確認する必要があるのです。

もし、イレギュラーに当てはまるという場合は、
予め、法律相談などして、予め対応策を練られるのをおすすめします。

また、規約を理解し、従える状態でありながら、
それを覆し非常識を押し通そうとするのは止めましょう。

店側も、使用される方をいたずらに困らせようとしているわけではないのです。

社会の秩序を守るため、出来うる限りのご協力をお願いします。
お互いが歩み寄るから、守られる秩序があるのです。
 
 

間違った正当性を主張するのではなく、不勉強を認め、学びましょう

接客に携わっていると、どうしても《非常識だなぁ》と思うことに出くわします。
しかし、常識とは、
《一部の地域で、一部の人の共通認識として扱われているもの》
だったりします。

《世界のすみずみで常識》となるものは、極僅かです。

固定概念に縛られないことも大事なのですが、
《とは言っても、規約があるでしょ?》ということは、
大人しく、そのルールに従ってください。

もしそれが嫌なのであれば、契約をしなければいいのです。

店員は、店員である前に、一人の人間です。
客側だから、何をしていいわけではありません。
店員だから、何をされても許さなければいけないわけではありません。

お互い、立場が変わることを考慮にいれて、
大人な言動・対応を心掛けましょう。

ただでさえ、人手不足な社会になりつつあります。
貴重な人材を守るためにも、
お互いにルールを守って、気持ちの良いやりとりを!